2017年4月16日(日)、福山駅前シネマモード開催の「監督、あなたの最高傑作は?」に行ってきました。
現役の映画監督を劇場に招待して自選の最高傑作を上映後にその場で監督へ質疑応答できるという今まで聞いたことのないシネマイベントです。
第一回目となる今回のゲストは山下敦弘監督。
監督自選の作品は「もらとりあむタマ子」(2013年/78分/主演 前田敦子)
わたしはこの作品を見たことがなかったのであえて事前にレビューとかの情報はみないようにして鑑賞しました。もちろん質問も考えつつ。
上映後、5分の休憩をはさんで福山駅前シネマモード岩本氏の進行で質疑応答スタート。
まだ見ていないかたにネタバレしない範囲で要点をざっとまとめてみると
・当初の企画は短編の連作で短編制作中に劇場映画の企画になった。
・主演の「女優、前田敦子」ありきでつくられた。
・限られた場所のロケーションだけれどそれを逆手に取った演出をおこなった
・深読みするような設定はおこなっていない。
見終わった直後の質疑応答なのでなるほどな~、そうだったのかと思うとこが多かったです。
わたしの考えてた質問は「女優、前田敦子」ありきでつくられたに集約されてました。
今回、山下監督が「もらとりあむタマ子」を選んだ理由
「気負わずに自分の思い、自分らしさが出せた映画だったから」
素敵な理由です。監督自身の「らしさ」、DVDで再見してもういちど確かめてみたいと思います。
もうひとつわたしにとって印象的だったのが、シネマモード岩本氏の質問された
「この映画は311後の映画ですが作品にどういった影響がありましたか?」についての回答です。
「東京在住で放射能について不安だったこと、他の監督が被災地に行ったりドキュメンタリーとかやっているのは知っていた。そんななかでとにかくこの作品を撮ることに集中した。そのことで自身のなかの311に区切りをつけようと思った。」
「あたりまえの日常」を作品として丹念に描くことが非日常への区切りになるんだということに気付かされました。
西日本に住んでいて震災被害を目の当たりにしていない身としてはとても考えさせられます。
最高傑作を通して語られる監督自身の思い、これスゴイいい企画です。
福山駅前シネマモードでの次回の開催を心待ちにしております(^ ^)